素材としての耐久性

鋼は、コンクリートや木、プラスチックと違って素材自体は劣化することはないので、腐食さえ防げば半永久的に使用することが出来ます。一般的な重量鉄骨造のビル建築では、鉄骨は仕上材で覆われ、板厚も厚いので、錆が問題になることはほとんどありません。一方、外気にさらされる用途には、各種の優れた防錆技術が適用されています。また、安定錆層の形成により腐食の進行を止める耐候性鋼や、亜鉛メッキの数倍の耐久性を持つアルミ・亜鉛合金メッキ鋼板等が開発され、メンテナンスフリーで長期の耐久性を確保しています。

耐候性鋼の柱型を使用したビル

建物としての耐久性

建物の長寿命化を実現する手法のひとつとして、SIという考え方が注目されています。これは、100年以上長持ちする骨組部分(S:サポート)と10〜30年で変更する内装や個別設備部分(I:インフィル)とを明確に分離することにより、構造体本来の寿命を延ばそうとする考え方です。近年、このサポート部分に鋼を使ったSI住宅も検討されています。

出典:次世代街区フォーラムシンポジウム
ー鉄骨系サポートが担う21正規のまちづくりー
資料集

素材が活かされた建築

耐久性に優れた鋼を素材として活かした建築の一例としてスチールハウスがあります。スチールハウスは、既存のツー倍フォー工法の枠組み(構造)材を木からメッキ鋼板による軽量形鋼に置き換えた住宅ですが、鋼のもつ優れた耐久性や機械的性質を利用し、長期にわたって高い構造安定性(耐震・耐風・耐積雪等)や耐久性を保持できる住宅を実現しています。さらに、スチールハウスでは外断熱工法を標準工法として採用していますので、高い断熱性と気密性を有する住宅となっており、暖冷房負荷の軽減によって省エネルギーや排出CO2量抑制の面でも時代に即したものになっています。


前のページに戻る

 

Copyright 2007 工業組合 福岡県鉄構工業会 〒812-0012   福岡県福岡市博多区博多駅中央街5番11号第13泰平ビル6階 電話/092-292-3221  FAX/092-292-3233